所有者不明土地等に係る固定資産税のみなし所有者課税

  令和2年度税制改正大綱に、市町村が一定の調査を尽くしても所有者が明らかとならない土地や家屋について、使用者を所有者とみなして固定資産税を課することができるとする案が盛り込まれました。
 所有者不明土地等をすべて足し合わせると、九州本島の面積よりも広いといわれる昨今、土地等を利用している者がいる、いわば「タダ乗り」の状態の是正を目指すとしています。
 所有者が不明のために課税できないケースとしては、次のようなケースが挙げられます。
 ① 登記が正常に記録されていない土地で店舗営業しているケース
 ② 外国籍の所有者が死亡し、相続人が特定できないケース
 ③ 登記名義人が死亡し、親族が全員相続放棄した土地・家屋に、登記名義人の生前から
      賃借している者が居住を継続しているケース
 ④ 全員が相続放棄したにもかかわらず、親族と関係者が死亡した登記人名義の
      土地・家屋に居住を続けるケース
 これらに対応するため、税制改正では、市町村内の土地・家屋について市町村が条例を制定すれば、登記簿上の所有者が死亡している場合、現所有者にその氏名、住所その他の固定資産税の賦課徴収に必要な事項を申告させることができ、罰則も設けることができるとしています。使用者を所有者とみなす制度では、市町村が一定の調査を尽くしても固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合、使用者を所有者とみなして固定資産税台帳に登録し、固定資産税を課すこととしています。
 このほか、税制改正とは別に、国は所有者不明土地対策として、所有者不明土地を管理するための新たな財産管理制度や相続登記の申請の義務付け、土地所有権の放棄を認める制度の創設などを検討されているようです。